仲介売却とは？
冒頭で述べたように所有不動産を売却し、現金化する主な手段には「仲介売却」と「買取」の二つがあります。このうち、売主に代わって不動産会社が一般の買主を探し、成約に至ると仲介手数料が発生するものが仲介売却と呼ばれるもの。依頼を受けた不動産会社は折込チラシなどの広告やネット媒体、不動産流通ネットワークを活用して購入希望者を募ります。
仲介売却の流れ
仲介売却のプロセスは下記の通りです。一般に査定依頼から物件引き渡しまで3ヶ月から半年はかかります。しかし、場合によっては1～2年経過しても売却が進まないケースも。逆に、売却活動を初めて1ヶ月もせずに買い手が付く場合もあります。
- STEP1
- 売主が複数の仲介業者（不動産業者）に相談し、査定を依頼
- STEP2
- 査定額などを検討して仲介売却を依頼する業者を決定
- STEP3
- 仲介業者である不動産会社が売却活動をスタート
- STEP4
- 購入希望者が物件を内覧する
- STEP5
-
購入希望者から買付証明書※をもらい、金額や引き渡し時期を話し合う
※購入希望者が売主に対して購入の意志表示を証明する書類
- STEP6
- 売買契約を締結する
- STEP7
- 決算⇒物件引き渡し
仲介売却のメリット
売主が売値を任意に設定できる点、買取よりも高い金額で売れる点は仲介売却ならではのメリット。買い上げた不動産会社がリフォームしたり転売したりして利益を出す必要が生じますが、仲介売却ではそうした手間やコストが発生しない分、高く売れるというわけです。ところが任意で売値を設定できると言っても、相場とかけ離れた金額では購入希望者が一向に現れないといったリスクも。仮に購入希望者が現れたとしても、交渉の際に条件面で折り合いが付かないこともあり得ます。
仲介売却・買取どちらを選ぶかの決め手
| 仲介売却 | 買取 |
|---|---|
|
|
媒介契約
媒介契約の必要性
不動産会社に仲介売却を依頼する際に必要となるのが「媒介契約」と呼ばれるもので、売主と不動産会社との間で契約内容を記した書面を取り交わすことが法律で義務付けられています。これは、依頼する業務の内容や仲介手数料などを明確化し、仲介業務に伴うトラブルを予防するのに欠かせない手続きです。
媒介契約の種類と違い
この媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」と3つの形態があります、いずれも基本的な部分は同じですが、同時に依頼できる業者の数や業者が果たすべき義務など細かな点が異なっていますので、下表を見比べてご自身にはどの契約形態が望ましいか検討してみてください。
| 契約形態 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
|---|---|---|---|
| 契約できる業者数 | 特定の1社と契約。他の不動産会社には売却を依頼できない。 | 複数の不動産会社に対し、同時に売買依頼ができる。 | |
| 制限 | 売主が自ら見つけた購入希望者と直接売買契約を締結できない。 | 売主が自ら見つけた購入希望者と直接売買契約を締結できる。 | |
| 業者の義務 | 指定流通機構「レインズ」（REINS）の登録義務 | ||
| 媒介契約締結の日から5営業日以内に物件登録しなければならない。 | 媒介契約締結の日から7営業日以内に物件登録しなければならない。 | 指定流通機構「レインズ」へ物件登録する義務が生じない。 | |
| 売主への進捗報告義務 | |||
| 週に1回以上 | 週に2回以上 | 報告義務なし | |
| 契約の 有効期間 |
3ヶ月以内 | 特に法的定めはないが3ヶ月以内を推奨 | |
| ポイント | 売主に対して拘束力が強い。 | 不動産業者に対して 拘束力が強い。 |
他と比べ売主の裁量に委ねられる部分が多いが業者の義務も軽微。 |
一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」がある
上記のうち、複数の不動産会社に対し同時に売買依頼ができるのが「一般媒介契約」ですが、これにはさらに「明示型」と「非明示型」と二つの形態があります。明示型では、仲介を依頼した不動産会社には、他にどの不動産会社へ仲介を依頼しているかを売主から報告する必要があります。一方、非明示型ではその必要がありません。非明示型は売主にとっては楽な選択ですが、不動産会社とすればどのライバル業者が同じ依頼を受けているかわかれば競争原理も働き、購入希望者を探すモチベーションも上がります。結果として、明示型を選択したほうが売却の可能性は高まると言えるでしょう。
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